20181101_ミシェル・ダルベルトの公演に行った

ミシェル・ダルベルトというピアニストのリサイタルに行った。

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10年以上前にNHK教育で「スーパーピアノレッスン」という番組があった。音大生らしき生徒にプロのピアニストが指導をするという、視聴者置いてけぼりのマニアック番組があったのだが、そこに出演していたのがミシェル・ダルベルトだった。当時の自分はまだ小学生とか中学生とかという時期で、いわゆる「プロの演奏」というものを殆ど聞いたことがなかったのだけど、生徒の演奏に対し(もちろん音大生とか芸術家の卵なので彼らもとても上手い)、「ここはもっとこう弾くんだ」と言ってサラッと弾くミシェル・ダルベルトの演奏が圧倒的で、誇張でなく「テレビの前で口ポカ〜ン」という状態だった。

あれから10年以上の時を経て、ふと新聞の広告欄に彼の名を見つけ、万難を排して今日の公演に足を運んだ。「ドビュッシー没後100周年記念」との副題にもある通り、メインはドビュッシーの「子供の領分」。終曲は「ゴリウォーグのケークウォーク」。
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この曲は小中学生にも演奏されるような比較的ポピュラーな曲で、ピアノを習っていた自分も小学生のころにこの曲を練習した記憶がある。ただまだ情緒もへったくれもなかった時期なので、譜面を追うことにいっぱいいっぱいで、そうするとこの曲をうまく作り込むこともできない。「なんだか変な曲だな〜」と思いながら終わってしまった気がする。

ところがどっこい、ミシェル・ダルベルト。本当に同じ曲を弾いていたの?という感じ。しかもドビュッシーらしさ全開。そういえば、この曲、ドビュッシーだったんだ………。



完全に口ポカ〜ン状態で、プログラムが終了し、熱狂に包まれるままアンコールへ。2時間・7曲の演奏会のアンコールに持ってきたのが、これ。
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リストの超絶技巧練習曲10番。超有名曲。しかも超難曲。アンコールにこれ持ってくる?しかも2時間の演奏会のあとに?しかも、完璧かつ最高の演奏。会場の熱気最高潮。

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よく知る曲を圧巻のパフォーマンスで弾く力。恐れ入りました。
惜しむらくは最初の2曲でピアノの調律が悪かったのか、音程が良くなかったこと。2曲目が終わったあと調律が入って、その後ステージに再登場したミシェル・ダルベルトが怪しかった音を試し弾きし会場の皆が苦笑するシーンまで。ピアノのリサイタルなんだから、調律くらいちゃんとやっとけ。