幸福の科学の新作映画「君のまなざし」を見た話

町中をふと歩いているとこんな広告が目に入ったので早速行ってきた。

※以下ネタバレを多く含みます。

※当方は幸福の科学信者ではありません。中立です。

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 ストーリー

冒頭、川で溺れている人を助けようとして自分も溺れてしまう主人公の好青年が、突然の場面転換ののちに、山村のペンションでの住み込みバイトへ向かう。

そこでは主人公のほか、大学の同期(♂)、昔神社で見たことがある女性、面倒くさそうなメンヘラ女もバイトに参加しており、30日間のバイトに勤しむことに。面倒くさそうなメンヘラ女は早速好青年に好意を抱き猛アタックを続けていく。

(ちなみにカメラワークやセットの雰囲気は明らかにテラスハウスを意識している。結構俗っぽい。)

 

と、ここで好青年、突然中年女性の霊にうなされる。すると昔神社で見たことのある女性が霊との対話能力を持っており、好青年にその霊を憑依させ事情を聞くことに*1。その中年女性の霊は、ペンションのオーナーの息子を車で轢き殺してしまったらしく、申し訳無さからそのペンションで彷徨っていたらしい。ここで神社の女性、「人生は何回でもある」と輪廻?の教えを説きはじめ、悩みから解放された中年女性は天上界へ導かれていった。ちなみに、好青年と神社女性が二人でいたシーンを見つけてしまったメンヘラ女、神社女性の頭に水をぶちまけブチ切れる。

 

好青年、ここで先程の出来事は何事もなかったかのように神社女性と自身の過去を振り返る(ここから長い回想シーン)。彼は両親や姉を早くに亡くし、幾多の苦労を積み重ねてきた。しかし姉の「神様はどこかで見ている」は心の奥底で引っかかっていたようだ。神社女性、先程の教えに引きつけながら教えを説き、ペンションのオーナーの振る舞いに注意するべきだと忠告するのであった。

 

教えの通り、好青年は神社女性とともにオーナーのもとへ。亡くなった子の話を振るとオーナーは何とも言えない反応を見せ山奥の洞窟へ。そこは死の世界と生の世界との接点で、鬼たちが現れようとする「霊界の門」だったのだ。

するとある晩、オーナーがペンションで霊とご対面。霊に苦しめられた挙句、オーナーは山奥の洞窟へ。

山奥の洞窟では、何と大学の同期(♂)にオーナーの息子の霊が取り憑き、恨み辛みをぶつけていく。好青年、ここで何とか彼らを諭す。ここで何と平安時代に場面転換。陰陽師のシーンが30分程度続く。好青年と大学の同期(♂)は平安時代も繋がっていたのだが、大学の同期(♂)は孤児院(?)の子どもたちを自分が守れず殺されてしまったことに酷く傷ついてしまい、それから「悪を裁き抹殺する」的なスタンスでこれまで霊をやってきたらしい。「人生は何度でもある」「愛を捧げよ」と隣人愛的な教えを説いていく好青年。ここで孤児院の霊が登場し「もう大丈夫だよありがとう」と感謝の意を示す感動の展開。大学の同期(♂)から平安時代のときの霊が脱出し、オーナーの息子の霊へ。オーナーの息子、オーナーのお父さんに生まれて良かったとまたしても感動の展開。そしてオーナーの息子の霊も帰っていき…

するとまたしても突然の場面転換。川に溺れ病院で気を失う好青年の身体の前に、好青年と神社女性は立つ。「あなたはもしかしたら天上界に早く行かなくてはならないわ」と死を予兆した発言を残し神社女性は消え、好青年の意識は彼自身の身体へ。好青年、意識を取り戻しあっという間に元気に。すると病室にはかつて見たペンションの住み込みバイトのビラがあるではないか。好青年、急いでペンションへ。そこには農作業に勤しむ大学の同期(♂)、元気にペンションを経営するオーナー、客として優雅に過ごす中年女性、そして従業員としてけなげに働くメンヘラ女がそこにはいたのだった…

 

感想

以上のストーリーを一読してもらえば分かる通り、話の行ったり来たりが尋常ではない。これでも過去の幸福の科学作品に比べればだいぶ解決されてきた方で、むしろ今回は冒頭の川に溺れるシーンからの伏線回収が見事だったのだが*2、それでも話の積み重ねには課題がある。場面転換があまりに唐突だし(これはカット割りや音響・映像効果の使い方にも問題があると思うが)、そこまで細かくはないはずのエピソードの導入・回収が出来ておらず、直前の会話と直後の行動が一致しないなど、全体を通してズッコケてしまうポイントが多い。例えば好青年に好意を抱いていたメンヘラ女、神社女性にバケツで水をぶちまけるところまでは良かったのだが、そこからは霊による超常現象に泣きわめくだけであとは何もない。ただの邪魔なメンヘラ女である。

また、今回の映画は幸福の科学付きの芸能プロダクションである「ニュースター・プロダクション」の代表である大川宏洋が、総合プロデューサー・脚本に加え、何と大学の同期(♂)として出演するという衝撃のマルチタスクであったわけだが、いかんせん彼の演技が下手。しかもエンディングテーマまで歌っていたのだが、それも下手。脚本については伏線回収や全体のテンポ感など過去作に比べると改良されていた部分が多々あったと感じられたので、演技面・歌唱面についてはもう少しお父様にご指導を賜っても良いかもしれない。

 

さらに言うと、相も変わらず説法シーンが長い。映画終盤の30分が教えを説かれる時間で、しかも映画中盤にも10分ほど説いてくる。しかも説かれる内容が他映画と殆ど変わらない。これはまあ仕方のないことではあるのだが…

 

とはいえ、以前に比べると今回は映画の質自体は向上している。過去作でも中国との大戦闘シーン等はそこそこ面白かったので、陰陽師等アクションシーンが多い方が得意なのかもしれない。次回の映画では満を持して千眼美子に登場してほしいところだが果たして。

*1:絵は完全に守護霊インタビューである

*2:これまでの幸福の科学映画で伏線がうまく回収された記憶はない